60歳からでも理解したいアルゴリズム

アルゴリズムとはAI(人工知能)の開発に必要な計算手順や処理手順の事で、AI開発者でない限り、関心を持っている人は少ないと思いますが、今でもすでに身の回りにアルゴリズムの影響は沢山あると思います。
今後飛躍的にその影響は広がって行くでしょうから、アルゴリズムの正体を少しは理解しておく必要があると思います。

今身近に感じられるAIの影響は例えばAmazonのおすすめ機能です。商品閲覧履歴や購買記録などから機械学習アルゴリズムを使うことでメールで商品を薦めてきます。昔はかなりとんでもない物も勧めてきましたが、最近はかなり的を得た商品を勧めてきます。
アルゴリズムが進化したのと筆者の個人データが増えたのが原因だと思いますが、おすすめを思わずクリックしそうで困ります。この様に人が無意識のうちに頼ることが多くなったアルゴリズムが数多くあることを先ずは認識しておくべきだと思います。

アルゴリズムとは簡単に言えば、一つの作業をどのように行い解決するかを論理的に示した手順で、広義の意味では料理のレシピや、家具の組み立てマニュアルもアルゴリズムということです。
でも実際はAIに用いる数学的な操作をコンピューターコードに変換したものです。
アルゴリズムは優先順位を決め、カテゴリー分けをし、関連を見つけて結び付けたり、フィルタリングをかけ重要な事柄に終点を当てたりします。
これらの選択方法はルールに基づき人が明確に指示を出すアルゴリズムと、機械学習アルゴリズムがあるといわれています。
近年、機械学習アルゴリズムが、人間の脳神経系のニューロンをモデルとして組み合わせたニューラルネットワークにより発展し、機械学習を自動化出来るディープラーニングが進んでいます。
データが沢山あれば、ディープラーニングによる精度が増すので、色々な分野でデータが豊富になっている現在、そして未来では益々有益な手段となっていきます。



これからAI(アルゴリズム)が活躍しそうな分野は多岐に渡るでしょうが、気おつけなければいけないことはアルゴリズムが出した答えを鵜呑みにしない事です。
ネットショッピングのお薦めのような分かりやすいものは良いのですが、中にはアルゴリズムが出した答えと分からない事があり、これからそれらは増えていくでしょう。

例えば正義に関して、警察が顔認証で誤逮捕したり、裁判で判例の集め方に偏りがあったりとAIのみに頼ると危険な事が沢山あります。
医療に関してもCT画像などの画像解析で、病気の判断にAIの活用が期待されていますがアルゴリズム次第で、誤検知と見逃しが起こりうるので「経験豊かな病理医でも難しい判断が必要な場合、誤検知と見逃しどちらをアルゴリズムが優先すべきか」あくまで医師の判断の参考資料にすべきかも知れません。
AIがどのようなアルゴリズムで操作をおこなっているかが明瞭な場合は良いのですが、機械学習アルゴリズムのディープラーニングの場合それは殆ど分からない様です。
例えばAIでの画像認識は、大量の画像データを与えて(人からの明瞭な指示なしで)その中から例えば犬を認識する事が出来ますが、どの様なアルゴリズムで認識しているかは分からない様です。



AI(アルゴリズム)は非常に便利なツールですが、使い方次第では問題も多々あるものです。
人の判断よりAIを優先すべきなのか?
どんな時にAIに頼るべきなのか?

ソビエト時代の軍人スタニスラフ・ペトロフは核攻撃早期警戒システムを監視していて、敵のミサイルを衛星のコンピューターが感知した警報が鳴った。すぐに上官に知らせるべきなのに、ペトロフは様子を見ることにし誤作動であることが分かった。
すぐ知らせていたら核戦争になっていたかも知れないのを、ひとりの人間が防ぐことができた。

この先もこのような事がいつ起こるとも知れない時代に、私たちは生きています。
アルゴリズムと共に有益な未来を切り開くために必要な叡智を、今立ち止まって精査すべきかも知れません。


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