「使用する環境はMac photoshop2022年度版で、RGBモードでの解説」
まずPhotoshopで色調補正する時は、なるべくオリジナルを残すようにします。
Photoshop形式のファイルでレイヤーを残したまま作業内容を保存しておくか、
画像を統合した場合は別名で保存して下さい。
最近のphotoshopは、CameraRaw機能が優れていてそこで殆ど色調補正が出来てしまいますが、
本来は調整レイヤーがメインの補正機能で、細かな部分の調整やマスクを使った調整などは
調整レイヤーが適しています。
調整レイヤーは、ピクセル値を変えることなく、画像のカラーや色調を補正し、1 つの調整でその下にある全てのレイヤーを修正できます。
非破壊的な編集を行え、調整レイヤーを編集し直したりすることができ、レイヤーの不透明度も変えられます。またレイヤーマスクを作って部分的な編集を行えます。
色々な補正がある中で、「①レベル補正、②トーンカーブ、③色相彩度、④特定色の選択」の4つがメインで使えると思う補正です。
カラー補正前に準備した方が良いことがあります。
スポイトツールのオプション設定「サンプル範囲」のデフォルトの「指定したピクセル」から「3ピクセル四方の平均」に変更します。(クリックした領域の平均で補正できる)
調整レイヤーの作成は、レイヤーパネルの下にある塗りつぶし、調整レイヤーを新規作成ボタン をクリックし、種類を選択してから作ります。「色調補正パネルからでもできます」
①レベル補正の調整レイヤーを作ると、プロパティパネルが自動的に開いてレベル補正が表示されます。
下記写真の中のグラフはヒストグラムと言い画像の明るさの分布図で、バランスが良い場合は
レベル補正は行わなくて良いです。
全体の濃度分布がひと目でわかるので下記写真(左)のようにねむい写真の場合、入力スライダーを使って特に黒点側を移動させてコントラストを調整します。
「中間調の明るさの補正もでき、R.G.B 個々の調整もできますが細かく調整しづらいので
この2点はトーンカーブで行います。」
②トーンカーブでの調整を説明します。
色調補正ツールの中でもメインで使われる機能で、特徴は「明度」と「色相」を同時に細かく調整できることです。プロパティパネルの真ん中にある斜めの線が操作するカーブで、縦軸と横軸から成るグラフに変化を与えることで、色調補正を自在に変えることができます。
斜めの線の奥にはヒストグラムも表示されていてレベル補正と同じ様な作業もできます。
補正前に行ったほうが良い設定があり、
まず下記トーンカーブ説明図の②(黒点を設定)をダブルクリックして
「R」に7、「G」に7、「B」に7と入力します。
次に③(グレー点を設定)をダブルクリックして
「R」に133、「G」に133、「B」に133と入力します。
次に④(白点を設定)をダブルクリックして
「R」に245、「G」に245、「B」に245と入力し保存します。
この設定は特にインクジェットプリンターに出力する時などにシャドウ部とハイライト部の
ディデールを表現しやすくします。
②,③,④,は画像内の調整したい所にポインタを持っていって、「黒点、グレー点、白点」を設定します。
⑤では⑨のコントロールポイントを作るメインで操作する所です。
グラフ線上どこでもコントロールポイントを作れて(最大14ヶ所)、任意の場所でクリックして(カーブを引っ張る感じ)ポイントをドラックして調整します。上にあげると明るく下に下げると暗くなり、R,G,B、別でも調整できます。
⑥はまず使うことはなく、⑦のカーブを滑らかにする時に使用します。
①のターゲット調整ツールは画像内の調整したい所にポインタを持っていくと、グラフ内にコントロールポイントが現れますので、調整したい場所でクリックすると、コントロールポイントが確定します。最大14ヶ所作れますがあまり細かく打つとトーンが乱れやすいので少なめにします。左記写真上は写真の調整したい所にポインタを持っていき確定したとこで、写真下はそのポイントを上下に動かして調整した画像です。
複数コントロールポイントがある場合、クリックしたポイントの表示が白く変わると、操作できるようになります。
複数のポイントを同時に動かす場合、シフトキーを押さえながらクリックして選択して動かします。
「コントロールポイントを選択してdeleteキーを押すと、コントロールポイントが消えます。」
トーンカーブを作る上で注意点は、トーンジャンプを起こさないよう注意する事です。
8bit画像で大きくカーブをいじるとトーンジャンプを起こしやすいですから、その時は⑥を選んでから⑦のトーンカーブを滑らで調整するか、画像を統合する前に16bitにしてから統合して8bitに戻すことで改善します。
カラーチャートを写し込んでおくと、色の被りを補正できます。
画像内でサンプルしてグレー点を設定ツール(スポイトアイコンの真ん中)でカラーチャート内のグレースケールの中間色で自動設定しても良いし、厳密に行いたい場合下記写真の様にサンプル数を増やして設定も出来ます。
まず始めターゲット調整ツールでグレースケールの3番目の明るさをサンプルします。
キーボードでオプション+ 3をタッチするとプロパティパネルの表示がレッド変わり、オプション+ 4がグリーン、オプション+ 5がブルーに変わります。
各色ともポイントを作り、キーボードの▲ ▼ キーでR.G.Bの出力の数値を合わせます。
「グレーのポイントでR.G.B の値が一緒なのは色被りが無いと言う事です。」
次にグレースケールの4番目の明るさで同じことを切り替えし、5番目も行います。
下記写真の様になり色被りを無くせます。
③色相彩度
画像の色相と彩度を補正するときに使い、特定の色にだけ処理を加えることもできます。
まず写真の鮮やかさをコントロールすることから説明します。
真ん中の「彩度」スライダーを動かしてみます。スライダーを右に動かすと、写真の彩度「色の鮮やかさ」がアップします。逆に左に動かすと、写真の彩度が無くなっていきスライダーを左いっぱいまで動かすと、彩度がゼロになり、モノクロ写真になります。
色相は主に特定の色をコントロールする時に使い、写真の中の調整したい色の似た系を選ぶとスポイトが使える様になるので、このスポイトで写真の中の調整したい色の部分をクリックし、この状態で3つのスライダーを動かしてみましょう。
一番上の写真は顔色を選択して赤みを増やした例、
真ん中の写真は左側の人のスカーフを選び色味を変えた例、
一番下は右の人のスカーフを選び色味を変えた例です。
スポイトで選んだ色系のみ調整しますが上手くいかない時は選択範囲を作って対応します。
この様に極端に動かすこともできますが、本来は鮮やかさの調整と発色がうまく出ていない部分の修正程度を行います。
彩度を0にするとモノクロになりますがモードはRGBのままです。モノクロに変換するのはCameraRawフィルターか調整レイヤーの白黒の方が良いです。
プリセットにはセピア、青写真などもあります。
④特定色の選択
特定の色の部分について色合いを変化させるときに使い、例えば写真の中の黄色っぽい部分だけ色を変化させたい時は、「カラー:イエロー」を選びシアン、マゼンタ、イエロー、ブラックのスライダーを左右に動かすことによって、色合いを調整します。
特定色の選択では変化の仕方で、「相対的、絶対値」のいずれかか選べ相対的はシアン、マゼンタ、イエローの相対的な割合が変化し明るさはそれほど変化しません。
絶対値はシアン、マゼンタ、イエローの絶対的な量が変化し色が大幅に変化しやすいです。
色相彩度と機能が似ていますが、特定色の選択の方が調整がし易い気がします。
色相彩度の例と同じ写真で相対的で調整してみました。
一番上の写真は顔色を選択して赤みを調整した例、
真ん中の写真は左側の人のスカーフを選び色味を調整した例、
一番下は右の人のスカーフを選び色味を調整した例です。
特定色の選択の方が微妙な調整が可能で自然な感じになり、日本の人の顔色であれば、レッド系やイエロー系で調整を行うと、かなり繊細な色調補正をすることができます。
単色の増減だけではなく、カラーの構成要素を考えながら調整して下さい。
下記ビデオでも少し解説しておきました。
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